夜、静まり返ったGTで。

たった一人で多数のゴースト相手に狂ったように戦う少女が一人。

無くなれ、無くなれ、無くなってしまえ。ただゴーストを滅するだけの兵器になってしまいたい。
心さえ無ければ行き場のないこんな想いを抱えて悩まなかった。
想いを叶えてくれなかった世界が憎い。一歩を踏み出せなかった自分が憎い。逆恨みだと分かっているけれど、今は全てが憎い。

その想いと憎さを華奢な手に込め、零距離で雷の魔弾をリリスに撃ち込む。向かってきたリビングデッドは術手袋として作った腕輪を嵌めた手で引きちぎる。
感情に任せた攻撃を繰り返しているうち、動く物は一つも無くなった。
中心では、疲労により動かなくなった小さな少女が突っ伏している。


「このまま、私もリビングデッドになっちゃおうかなぁ。」
しかし、明日も彼女は学校に通って明るく振る舞うのだ。
それがさらに苦しさを生み出すだけだとしても。