TW2『シルバーレイン』、TW3『エンドブレイカー!』がメインのキャラブログ。
mauve:ゼニアオイ。花言葉は信念、母性愛/bixbite:紅色の宝石。石言葉は欲情を刺激 それぞれエストの誕生日の花と石。
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※ちょっと性的な描写があるので注意。
へんしん。
へんしん。
「ねえおじちゃん。なんで髪の毛切っちゃうの?」
「お仕事に必要だからさ。さあ、動かないでくれ。」
伸ばした髪が、シャキシャキという音と共に落ちてゆく。
次の仕事は、年端も行かぬ子を愛する性癖を持った豪商の暗殺。
交易商人を統括して莫大な財産を築いたが、裏ではご禁制の薬物や人身売買で荒稼ぎしている。
同じような仕事をしている組織にとっては、どうしようもない目の上のタンコブという訳だ。
長年、彼と張り合って商売をしていた組織だが、ついに我慢ならなくなって刺客を送ることになった。
彼の元に売られてきた子供のうち、見目の良い子は男女問わず手元に置いて弄び、
飽きたら売るなり、親戚や部下に養子として押し付けるなりしていることは
裏の世界に少しでも詳しい者なら皆が知っている。
そういう訳で、まだ幼いエストリッドに白羽の矢が立ったのだった。
既に人の殺し方は教えてある。
身形を整え、豪商好みの中性的で色白の美少女へ整えられたエストリッドはすぐに彼の元へ送り込まれた。
「どうですこの娘は。色も白くてあまり肉は付いていないですし、旦那様のお気に召すかと思うのですが…」
商人に見える格好をした、話術に長ける組織の男がすらすらと喋る。
ずっしりとした体躯の豪商は、目の前の娘を頭からつま先までを舐めるような目つきで見、
「わしは青い目の方が好みだがな……毛並みは気に入った。これだけ出そう」
髪のことを毛並みと、目の前の少女を猫か何かのように扱う豪商は、男に金貨の入った袋を手渡した。
男はすぐさま袋を覗いてにんまりとした表情を見せ、そそくさと出て行った。
夜、よい香りのする風呂に入れられ、先行していた組織員の女中に垢をくまなく落とされた。
あれよあれよという間に髪を乾かされ、百合の香りのする香油を塗りたくられたエストリッドは、
悪趣味なまでにフリルとリボンのついた薄絹のローブを着せられて、豪奢な寝台の上に寝かされていた。
寝台にはナイフを忍ばせ、時を待つ。
そうしているうちに、今宵の生贄を食すことで頭を一杯にした豪商がやってくる。
ローブを脱がされた後の記憶は不思議と客観的で、痛みさえこらえてしまえばどうということはない。
人の殺し方を教えた者が言っていた、男がもっとも無防備になる瞬間。
それを狙って、ナイフを素早く手に取り、刺した――
夜が明ける前、脚の間から血を流した少女が馬車に乗り、豪商の家から去っていく。
よくある構図なので、警備の者は何も咎めずにそのまま見送った。
その数刻後、辣腕で鳴らした悪趣味な豪商が無惨かつ滑稽な姿で死んでいるのが発見された――
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