クロエと二人のクロエ

ティンときたので書いてみた短文。特に意味はないよ！
……ないよ？

私はクロエ・アチェーリス。
それなりに可愛くって、それなりに生きてて、それなりに強いと思う。多分。
何故か私は、「自分であるけど自分じゃない」夢を見る。


一人目のクロエ。でも、名前はスオウ。
お母さんの髪は新月の日の夜空みたいに真っ黒でまっすぐ。
「きやつらの狙いはこの母と経若の首。そなたは女子であるし嫡子でない故見逃してもらえるじゃろ。
　不出来な母であったこと、どうか許すがよい。」

二人目のクロエ。彼女も名前はクロエ。
お母さんの髪は深い赤。
「クロエはあったかいね……。誰に似たのかな。ママじゃないと思うんだけどな。
　だって、ママはもうすぐクロエを置いて一人でお出かけしちゃうんだもの……」



三人目のクロエ。自分。
お母さんの髪は可もなく不可もない緑色。でも、他のお母さんと同じで目は赤い。
私は他のクロエよりも幸せなのかな。
だって、お母さんが遠くに行ってしまってもう会えないとか、お父さんに会っちゃいけないなんてことがないんだもの。